
頭蓋内外の痛覚感受部位
頭蓋外では
表皮、筋膜、筋、頭蓋底部の骨膜、末梢神経、動脈
頭蓋内では
脳血管、硬膜の一部(特に脳底部)、第5・9・10脳神経、第2・3頸神経
すなわち、脳実質は痛みを感じないのですよ。と言うことは、脳実質の病気は痛くないと言う事ですね。 ここは皆さんの勘違いの多いところです。
片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛、神経痛、心因性頭痛など
脳外科的適応のある疾患(くも膜下出血、脳腫瘍、脳内出血)
内科的疾患(髄膜炎、感冒など)
耳、鼻、眼、歯科疾患によるもの
| 機能性頭痛 | 1.片頭痛 |
| 2.緊張型頭痛 | |
| 3.群発頭痛および慢性発作性片頭痛 | |
| 4.器質的疾患を伴わない各種の頭痛 | |
| 症候性頭痛 | 5.頭部外傷に伴う頭痛 |
| 6.血管障害に伴う頭痛 | |
| 7.非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛 | |
| 8.原因物質あるいはその離脱に伴う頭痛 | |
| 9.頭部以外の感染症に伴う頭痛 | |
| 10.代謝障害に伴う頭痛 | |
| 11.頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいは他の頭蓋・頭蓋組織に起因する頭痛あるいは顔面痛 | |
| 12.頭部神経痛、神経幹痛、求心路遮断性疼痛 | |
| 13.その他 |
この頭痛は起こり始めると1〜2ヶ月の間、毎日起こる(だから群発と言います、群発地震と同じ言葉の使い方)のが特徴です。20〜30才の男性に多く起こります。一側の眼がえぐられるような激しい頭痛です。寝ているときに起こることが多く、痛みで目が覚めます。だいたい同じ時間に起こります。涙や鼻水が出たり、顔面が紅潮したり発汗したり、結膜が充血したりします。飲酒で誘発されやすいです。
片頭痛の予防の薬を毎日内服し、それでも起こるときはトリプタン製剤を飲みます。酸素吸入が効くこともあります。
大後頭神経痛、小後頭神経痛、三叉神経痛などがあります。大後頭神経痛は意外と多いです。外来で神経痛ですねと言いますと、「えーっ、頭に神経痛ってあるんですか」と時々聞かれます。神経痛と言うと膝や足と思われている方が多いのです。大後頭神経は首から出て後頭部を通って前頭部まで伸びます。前頭部からは三叉神経の枝が伸びて来て吻合しています。
神経痛の特徴は過敏になった神経が刺激された時だけズキーッと痛みます。程度は強いのですが、しばらく我慢しているとおさまります。また時間をあけてズキーッと痛みます。頭を動かした時に起こります。たいていは肩や首のこりが強い時に起こります。ですから緊張型頭痛に併発することが多いのです。たまには首自体の病気や帯状疱疹から起こることもあります。
原因次第ですが、緊張型頭痛に伴う時はその治療を行います。帯状疱疹や首の病気で起きている時は、それぞれの治療を行います。原因がはっきりしない時もありますが、鎮痛剤で止まることが多いです。帯状疱疹では発疹が2〜3日遅れて出ますので、痛み始めに受診された時は後で発疹が出るかも知れないと注意します。出たら皮膚科で治療を受けます。
前に述べました二次性頭痛(器質性頭痛とも言います)の中で放っておくと命が危なくなるものと考えればいいでしょう。
脳外科的適応のある疾患ではくも膜下出血、脳腫瘍、脳内出血などがあります。特にくも膜下出血は突然発症し、意識がなくなるくらいの激しい頭痛です。嘔気も強く、そのまま意識が戻らない場合もあります。直ぐに治療の出来る脳神経外科の病院に救急車で行かなければ助かりません。現在でも半数の方が命を落とす病気です。脳内出血は小さいと頭痛のしないこともあります。脳腫瘍も同じ事です。それは最初に説明しましたが、脳自体には痛みを感じる受容器がないからです。
内科的疾患では髄膜炎(とくに細菌性髄膜炎)や脳炎は意識障害や精神症などの後遺症が残る事がありますし、重症の時は命を落としますので、危険な頭痛と言ってもいいでしょう。
緑内障も激しい頭痛がしますし、手遅れになると失明しますので、危険な頭痛に入ります。
頭痛がすると血圧が上がっているのではないかと心配される方が非常に多いです。でもその頭痛を問診すると、別の原因の事が多いのです。大半は緊張型頭痛です。緊張型頭痛の原因はストレスが一番です。ストレスのある時は血圧も上がるから、緊張型頭痛の起きるような状況では血圧も上がりやすいのです。
でも血圧が上がると頭痛がする事は分かっています。特に上が220以上下が120以上では頭痛がすると言われています。後頭部が痛みます。特に急に血圧が上がると頭が割れるように痛くなりますが、ジワーッと上がって来た時は慣れてしまって余り頭痛はしません。脳出血を起こすまで自分の血圧が高いと知らなかった人が昔は結構おられました。
頭痛と血圧が関係しているかどうかを見極める方法は、血圧を下げてみる事です。血圧が下がっても頭痛のする方は頭痛の原因が他にあるという事です。
テニスや水泳なおどの激しい運動をした後に片頭痛が起こることがあります。これは運動の興奮により分泌されたアドレナリンが血管を拡張させる為に起こるものです。運動の前に血管収縮作用のあるエルゴタミンという薬をのむと防ぐことが出来ます。ただ、初めての場合はくも膜下出血などの事もありますので要注意。
血管性の頭痛(片頭痛や群発頭痛)にはお酒は悪いです。特に群発頭痛では発作が必発です。群発時期には避けましょう。片頭痛はお酒で誘発される傾向があります。
赤ワインが頭痛を起こしやすいことが知られています。お酒が片頭痛の誘因になると言っても飲む量や状況で多いに異なりますので、絶対に駄目という訳ではありません。上手くつきあってください。また蒸留酒は頭痛を起こしにくい傾向があります。
緊張型頭痛にはお酒は百薬の長です。でも飲み過ぎると駄目です。二日酔いになるほどにはお酒は飲まないでください。
片頭痛は温めると血管が開くので悪化します。冷やすとその逆で改善します。緊張型頭痛は温めると筋の血管が拡張し血流が良くなるので改善します。冷やすと悪くなります。ですから、頭痛はすべて冷やせば良くなるものではありません。
逆にお風呂に入って暖まった時に頭痛が軽くなるかどうかを聞き、軽くなるなら緊張型頭痛、悪くなるなら片頭痛と考えることもできます。
治療としては片頭痛の時は頭の前の方を冷やします。緊張型頭痛の時は頭の後ろを温めます。よく首筋を冷やすと頭痛が楽になるという方がいますが、これは神経が麻痺するための見せかけの改善で、緊張型頭痛の時はなかなか治りません。
片頭痛は頭の血管が拡張する為に、血管の周りの神経が刺激されて起こります。
(詳しくは頭痛大学の片頭痛のページへ)
頭痛を訴える患者さんの大部分は、自らを「頭痛もち」と思っています。この頭痛もちの頭痛の中にはいくつかの種類がありますが、最も多く、しかも悩まされるのが「片頭痛」です。
片頭痛は頭の片側からこめかみにかけて脈打つように「ずきずき」、vがんがん」と痛み、ひどいときには日常生活が妨げられるほどの強さの痛みや、吐き気を伴うとてもつらい頭痛です。
片頭痛は思春期頃から発症することが多く、成人の約8%が罹患しています。
中でも女性に多く、患者さんの数は男性の約4倍といわれています。片頭痛は一生の病気であり、現在の医学では完全に治すことはできません。
片頭痛はその名の通り、片側の頭痛として現れることも少なくありませんが、痛みの現れる部位が左右変動する場合や、両側が痛むが左右で差がでる場合、両側が痛む場合など痛みの種類はさまざまです。
片頭痛は決まった片側のみに現れる頭痛ではなく、「偏った痛みがあらわれやすい」と理解していてください。 片頭痛の特徴は以下のとおりです。
片頭痛では、小児や高齢者を除いてたいていの人が頭痛のあらわれる30分から数時間前に前ぶれを感じます。片頭痛は、前兆(目の前にチカチカと光が見えたり、星が見えたりする症状:閃輝暗点)のある片頭痛と、前兆はないがなんらかの前駆症状(頸すじ・肩の張り、生あくびなど)のある片頭痛、前兆も前駆症状もまったくない片頭痛と、大きく3つに分類されます。
片頭痛は検査ではわかりません。患者さんからの問診と医師がもっている医学知識を照らし合わせることによって初めて正確な診断ができます。
脳の検査として思い出すのがCTやMRIですが、これらは脳組織が破壊されるような病気については写しだすことができます。しかし、片頭痛は脳組織に異常を起こさないためこれらの検査では診断できないのです。片頭痛は脳ではなく血管が拡張することで痛みが起こるのです。
片頭痛の時には光が刺激となりますので、暗い部屋で静かにする方が望ましいでしょう。また頭を氷枕等で冷やすと拡張した血管が収縮するので、頭痛が軽くなります。
でも、片頭痛の治療法の中心は薬物療法です。現在までにわかっている範囲では薬物以外の治療法つまり物理療法、食事療法といった方法では、補助的効果葉認められるものの、その効果は薬物療法を上回るものはありません。
片頭痛の薬物療法には大きく分けて二つの方法があります。一つは頭痛発作が出たときに対処する方法で、これを頭痛抑制治療といいます。これに対し頭痛を出にくくする治療法があり、これを頭痛予防治療といいます。
たいていの場合、頭痛抑制治療から開始し、症状が強かったり、頭痛の回数が多かったりした場合に、頭痛予防治療を追加します。
片頭痛の予防効果が認められている薬は、抗うつ薬、βアドレナリン遮断薬、バルプロ酸、カルシウム拮抗薬などがありますが、日本ではカルシウム拮抗薬の塩酸ロメリジンが保険適応となっています。
| 薬剤分類 | 長所 | 短所 |
各種消炎鎮痛薬 |
軽症例では十分な効果が得られることが多い。 |
連用によって薬物性頭痛を招く可能性がある。 |
エルゴタミン製剤(カフェルゴットRなど) |
血管収縮作用によって動脈の拡張を抑制する。前兆や前駆症状のうちに服用すると、高い効果がある。 |
狭心症、妊婦には使用できない。 |
トリプタン系製剤(スマトリプタンRなど) |
頭痛発作があらわれたのちの投与でも頭痛の改善をもたらす。 |
血管収縮をきたすので高齢者への投与は避ける必要がある。 |
片頭痛には種々の誘発因子があります。これらの関与の程度はさまざまですが、ちょっとした注意で片頭痛の引き金となるものを避けることができます。具体的な注意事項は次のとおりです。
緊張型頭痛は頸部から頭部全体を取り巻く筋肉の緊張から起こる頭痛です。
中高年に多く、女性にも男性にもみられる頭痛で、程度としては軽度〜中等度で、日常生活への影響は余りありません。頭全体を締めつけられるような持続的な頭痛です。帽子を被った感じとか鉢巻きをした感じです。片頭痛とは違い、体を動かすことによって悪くなることはなく、また、片頭痛でみられる吐き気、嘔吐、音や光に対する過敏性といった症状もありません。
この頭痛はいろんな事を気にしすぎるという性格が関係しています。
(この症状が主な訴えで受診される事が結構多いです。例えば歩くとにふらつくと言う訴えですね。私が意外と重視しているポイントです。)
神経を使いすぎると頸や頭の周りの筋肉が凝ってきて緊張型頭痛になります。ストレスと言うと「イライラ」と考える方が多いのですが、いろんなストレスがあります。ちょっとした事でも気にすると原因になりますし、気にしすぎる方には起こりやすいです。
頸や肩が凝る様な姿勢を長く続けると起こります。デスクワークやパソコンなどの仕事で起こることが多い様です。目の疲れからも起こります。首の病気からも起こります。
問診が大事です。問診でだいたいの診断がつきます。初めて受診された方には器質的疾患がないことを確認するためにCTスキャンを撮る事はあります。
ここで、問診の説明を。
原因によりけりですが、ストレスのもとがはっきりしている場合はそれを取り除くようにしなけらばなりません(と言っても無理な場合が多いですね)。またその方の性格が関係していますので、スッキリと治らない場合や、治ってもまた起こる場合もあります。大事な事は頭痛の原因を理解して貰うことです。
気分転換を勧めます。自分の病気を心配しすぎて悪くなっている方もおられます。こういう場合は頭痛自体が心配ないと説明すると軽くなることもあります。1人で考えすぎている方は、どなたか相談できる人がいれば良くなります。
こりを取るためには温めてもみほぐす事が大事です。お風呂で暖まった時に体操するといいでしょう。マッサージもいいです。一番いいのは運動でしょう。暖まりますし、気分転換にもなります。また、姿勢を正します。方が凝るような姿勢は短くし、休憩を間にいれ、その時に体操をする様にしましょう。
薬には気分だけでなく筋肉もリラックスさせる働きをもつ薬を使います。これで不十分な時は鎮痛剤を併用します。不眠は強い方には睡眠導入剤を使います。うつ傾向の強い方には抗うつ剤を使います。これらの薬をうまいこと使い分けながら、病状を詳しく説明し理解して頂くと頭痛は軽くなります。
脳自体には痛覚を感じる感覚器がないので、脳実質から出来た腫瘍は痛みは少ない。しかし大きくなって周囲を圧迫したり、頭蓋内圧が上がった時は頭痛がするので、頭痛で見つかったときは脳腫瘍はかなり大きくなっている。
脳腫瘍と言っても脳実質でなく周辺の組織に出来た時は頭痛が早く出る事もあるし、水頭症を伴うような時は頭痛は早く起こる。
以上から、「脳腫瘍は頭痛が強い」と言う事は、半分本当で半分嘘と言う事である。
体の中には痛覚のない部位がある。例えば、爪や髪の毛。
頭で痛みを感じる部位は
頭蓋外では、表皮、筋及び筋膜、頭蓋底部の骨膜、末梢神経、動脈
頭蓋内では、脳血管、硬膜の一部(特に脳底部)、第5・9・10脳神経、第2・33頸神経
即ち、脳実質は痛みを感じないのである。
こう言う方は非常に多い。でも脳梗塞を起こした方に聞いてみると頭痛は少ない。まれに首の動脈が剥離して詰まる時は首が痛い事がある。梗塞が大きいときは頭蓋内圧が上がり頭痛がするが、この時は意識も悪くなることが多い。多発性脳梗塞では頭がスッキリしないことがあると書いてあるが、まず軽症の脳梗塞では頭痛はないと言っても良い。頭痛のするときに一番に脳梗塞を考える必要はない。
片方が痛い頭痛を片頭痛と思っている人が多い。自ら片頭痛ですと言っても結構違っている。片頭痛でも両側に起こる事が多い。緊張型頭痛も結構片側に起きるし、これを片頭痛という人が多い。片頭痛は頭蓋内外の動脈から起こる痛み。起こりやすい体質で起こりやすい状態の時に起こる。典型例では閃輝暗点があり15分から30分してズッキンズッキンとした痛み。こめかみや前頭部に多い。嘔気があり吐きやすい。女性に多く、比較的若い人に多い。光がまぶしいので、部屋を暗くして静かに寝ておく方が良い。最近はよく効く薬がある。時に問診票に「変頭痛」と書いている人がいる。片頭痛は変な頭痛という意味では決してない。
慢性頭痛の中で圧倒的に多いのが緊張型頭痛である。原因は首や頭を取り巻く筋肉の緊張から起こる頭痛で、精神的な緊張がなくても起こる。最大の原因は精神的なストレスであるが、姿勢や体型の問題で首自体に対する身体的なストレスで起こることもある。頭がボーっとして重い感じ。ふらつくことも多い。目の疲れが出やすい。眠りが悪くなる。天気が下り坂の時に悪くなる傾向にある。
ストレスを単なる「イライラ」と思っている人が多い。緊張型頭痛の説明のあと自分にはストレスはないと言う人がいるが、ちょっとした事でも気になることはストレスであり、些細なことでも起こる。年輩の方は病気の事が気になっている事が多い。ストレスがないと言う人でも、話をよく聞くとストレスがある。
緊張型頭痛の時には頭の周囲の筋肉が緊張して来るので重たく感じるだけで、頭が重くなることはない(測った人はいないので、正確なデーターはないが)。ただ、頭を取り巻く筋肉が収縮するので、重たい感じがするだけである。
頭痛が長く続くと、脳の病気ではないかと心配になる。急に起こる病気にくも膜下出血や脳出血があるし、じわじわ痛む病気に脳腫瘍などがある。これらでは、頭痛に吐き気を伴ったり、視力の異常や手足の麻痺や言語障害や平衡機能障害など、神経・精神に異常を伴う事が多い。脳腫瘍の様に頭蓋内圧が上がってからの頭痛は寝ていると頭痛がみられ、起きてしばらくすると楽になる事がある。とにかく脳の病気はCTスキャン(コンピューター脳断層写真)やMRI(磁気を使った脳断層写真)で、これらの病気は発見できるようになったので、おかしいときは病院へ。ただし、ウイルス性髄膜炎など脳の形に変化を来さない病気は神経症状はすくない。
慢性頭痛なら脳の病気を起こすことはない。ただ慢性頭痛の人でも他の脳の病気を起こす事はあるので、頭痛の仕方がいつもと違う時は要注意。直ぐに病院へ。
高血圧の状態に馴れてしまうと頭痛はあまりしなくなる。急に血圧が上がると頭痛はする。高血圧の頭痛は後頭部が痛むという場合が多いようである。降圧剤によっては、血管拡張作用のために、頭痛の副作用が起こることがある。このような頭痛は狭心症の薬でも起こる。
血管性の頭痛(片頭痛や群発頭痛)にはお酒は悪い。とくに群発頭痛は頭痛発作が必発。群発期には避けた方が良い。片頭痛はお酒で誘発される傾向がある。しかし蒸留酒は頭痛は起こしにくい傾向がある。ワインでも「赤」が頭痛を起こしやすいことが知られている。
お酒が片頭痛の誘因になるといっても、飲む量や状況で大いに異なるので、絶対に「だめ」というわけではなく、うまくつきあう事が大事。
緊張型頭痛はお酒を飲むと軽くなることが多い。精神的にも肉体的にもリラックス出来るから。でも飲み過ぎは二日酔いとなり頭痛がする。
片頭痛は暖めると悪化し(血管が開くから)、冷やすと改善する。緊張型頭痛は暖めると改善(筋の血流がよくなるから)し、冷やすと悪化する。片頭痛の場合はこめかみ(頭の前)を冷やし、緊張型頭痛の場合は頭の後ろを暖める方がいい。よく首筋を冷やすと頭痛が楽という方がいるが、これは神経が麻痺するための見せ掛けの改善であり、治りを遅くする。
なんといってもくも膜下出血。
頭全体あるいは後頭部に金槌で突然なぐられたような強烈な頭痛が特徴。意識を失ったり、痙攣を伴うこともある。原因は、脳動脈瘤の破裂がほとんどである。脳神経外科ではまずCTで診断し、脳血管撮影により出血原因を確認する。
動脈瘤の場合は、クリップで止める手術(クリッピングと言う)を行う。これをしないと、いつ再破裂するか分からず大変危険。
まずは体のバランスをとる仕組みからお話します。
バランスをとるためには、視覚と筋肉や関節にある深部受容器と内耳からの3ケ所の情報が中枢へ伝えられます。中枢では情報が過去の記憶と照合され自分の姿勢や体の位置がどうなっているかを知ります。そして手足の運動神経に指令が出て、体のバランスが自然に保たれるわけです。この働きは無意識に行なわれています。めまいは今述べた回路のどこかが障害されるとおこります。この回路の中では内耳が一番大切です。
耳は外の方から外耳、中耳、内耳に分かれます。外耳と中耳の間には鼓膜があります。内耳は側頭骨の中にあり、聴覚の働きをする部分と体のバランスに関する部分があります。このバランスに関する部分の一部に、有名な三半器官があります。内耳にはリンパ液が入っていて体が動くとリンパ液も動き、リンパ液の中に浮んでいる細胞がその動きを感じとり、めまいの中枢に刺激を送ります。こうして体のバランスをとっています。この内耳の障害によっておこるめまいを内耳性めまいといいます。
めまいの頻度は100人中1〜2人です。めまい患者のうち60%は内耳性めまいで、中枢性めまいは10%、その他が30%くらいと言われています。耳鼻科領域の原因が最も多いのですが、めまいの検査で陽性でないと耳鼻科の先生は耳ではないと言われるようで、中枢性めまいを心配して脳神経外科に来られます。
さて、めまいの種類ですが、3つに分けられます。1つは真性めまいです。これは回転性と非回転性があります。回転性のめまいは内耳性と中枢の急激な障害でおこります。内耳性の場合70〜80%が回転性めまいとして出ます。
非回転性のめまいはふらついたりふわふわし中枢障害で多く出ます。内耳性の場合は症状が軽くなった時に出ます。2つ目は仮性めまいです。一瞬意識がうすれたり、立ちくらみやふわっとします。これはだらだら続くことが多く、高血圧、低血圧、自律神経失調症、心因性のめまいなどで生じます。
3番目は平衡失調です。歩行障害、つまづき転倒をおこします。これは薬物が原因の場合や中枢障害で生じます。
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内耳性めまいはめまい患者の60%を示めます。
初めにメニエル病です。1861年にフランス人のメニエルという内科医が発表しました。症状は激しい回転性めまいと耳鳴りと難聴を同時に伴います。このめまいは30分〜24時間つづきます。発作は1回から何回もくり返します。原因は内耳のリンパ液がたまり、内耳の圧が高くなるためにおこると言われています。ストレスが原因と思われます。ベートーベンもメニエル病だったとのことです。よくめまいをメニエルと言いますが、正確にはメニエル病ではありません。内耳性めまいで原因の明らかでない場合をメニエル症候群と言いますが、この事です。
次に良性発作性頭位眩暈症です。比較的良くみられます。頭の位置によって回転性めまいが出現します。3分ぐらい持続します。耳鳴り、難聴はありません。予後の良いめまいで、積極的にめまい頭位をとって、めまいを起こし、慣れる訓練をすると効果的です。当院に来られる患者さんでは一番多いような気がします。
次に内耳炎です。中耳炎が原因です。耳だれがあり、つづいてめまいがあらわれたら専門医にみてもらって下さい。
次に前庭神経炎です。風邪によるウイルス感染につづいて激しい回転性めまい、悪心、嘔吐がおこり、その後フラフラ感のめまいが出現します。数週間〜数ケ月つづきます。
次に聴神経腫瘍です。内耳と脳を結ぶ聴神経にできる良性腫瘍です。回転性めまいは少なく浮動性めまいです。難聴・耳鳴り(高音性)が進行することがあります。MRIで診断が容易になります。
次に突発性難聴です。ある日突然に難聴が出現します。40%にめまいを伴います。この病気はメニエール病と区別することが難しいことがあります。
その他に頭部外傷や薬の副作用でも生じます。内耳性めまいは意識障害や麻頼などの神経症状はおこりません。
大きく分けると二つの原因があると思います。
1つは中枢性めまいです。めまい患者の10%です。脳の炎症、循環障害、脳梗塞や出血、腫瘍、変性症などですここの場合は意識障害や麻痺やけいれんを伴います。一般的には浮動性めまいが多く、耳鳴りや難聴はあまりみられません。
もう1つは内耳と中枢性の区別のつかないめまいです。めまい患者の30%です。この疾患としては頸椎性めまい、高血圧、低血圧、不整脈、糖尿病、自律神経失調症、心因性めまい、更年期障害、そして老化現象があげられます。
めまい発作をただちにとってしまう技術はありません。
急性期のめまいの場合は光や音をさけ安静にします。はげしいめまいも数時間で軽快します。めまいと伴に頭痛や四肢の麻痺、意識障害など中枢障害の疑いがあれば、すぐに病院に行って専門医にみてもらって下さい。治療はめまい止め、はき気止め、安定剤の注射や薬を投与します。又急性難聴を伴う場合は血管拡張剤やビタミン剤、時にはステロイド剤を使います。
慢性期のめまいの場合はビタミン剤、血管拡張剤、めまい止めを使用します。さらには平衡訓練を中心としたリハビリテーションも必要です。
めまいが頻回にくり返したり、中枢障害が疑われたり、不眠がつづく時は神経内科や脳外科に相談して下さい。
仕事のしすぎや睡眠不足をさけ、気分転換をはかり、ストレスのたまらない生活をすることです。
又食事も栄養バランスを考え、刺激物をさけ、規則正しくとるようにすることです。
治療中のめまいが軽くなったら、寝たり起さたりして、なるべく体を動かして下さい。ここでめまいが悪化しなくなれば、部屋で歩行などの運動をし、スムーズに歩行できれば、5分ぐらい外で歩行して下さい。さらに歩行時間を徐々に延ばし、20〜30分ぐらい早足で歩行しても気分が悪くならなければスポーツをはじめてもかまいません。
タバコはできれば禁煙して下さい。酒は発作中はやめて下さい。回復して来ればビール1本、酒1合を週1〜2回程度が目安です。
中枢性めまいの時はそれぞれの疾患で注意が異なります。例えば、小脳梗塞では脳梗塞の危険因子を減らすような注意が必要です。
自分自身、あるいは周囲が運動するように感じるある種の錯覚で、[くるくるまわる][ぐるぐる回転する][傾く][ゆれる]などと表現する。しばしば、自律神経症状(悪心・嘔吐・不安感)、平衡障害、眼振を伴う。末梢あるいは中枢前庭系の急激な片側性(偏在性)の障害により起こる。急激に発症することが多い。
バランス感覚の障害、不安定感で、[(酔ったような)ふらふら感]などと表現する。空間見当識を司る各系統からの各種入力の不均衡状態による。前庭系、固有感覚系、小脳系、視覚系、錐体外路系の障害を示唆する。緩徐に進行することが多い。
[はっきりしない頭のふらふら感][目がくらむ感じ][倒れそうな不安]などと表現する。種々の情緒障害を持つ患者(過換気症候群・不安症候群・ヒステリー性神経症・うつ病など)でみられる。
[意識を失いそうになる感じ][気の遠くなるような感じ]などと表現する。通常、発汗、悪心、不安感、一過性の視力喪失などを伴う。脳潅流が低下して、脳に十分な酸素と糖が供給されないことによる。一般に、血管系あるいは心臓の機能障害を示唆する。